子どものころ、海と山の大自然と、神社仏閣の多い場所で生まれ育った。
大人になって今思うのは、海も山も自然はパワーの源、そして神社仏閣はパワースポットとして有名な所ばかり。かなりありがたい環境にいたんだなと。
そして今回は、数十年前。私は3歳のころ、幼稚園の前に子どもを預かる小さな施設に預けられていたときのお話。
卵のパックをつかってワニのおもちゃを作ったり、みんなでクッキーを焼いたり、幼稚園ほどの教育はないので、まるでみんな兄弟のように過ごしていた。
ある日、先生が「今日は”かくれんぼ”をします!」と近くの広いお寺にみんなで移動。
ゲームは「じゃぁ鬼は○○ちゃん!」なんて楽しく始まり、笑い声が響き渡り、数名いた子どもたちが、一斉に境内に散らばった。
(今考えるとよくお寺の中で遊ばせてくれたものだと思うけれど、昔だったから良かったのかも)
私は、仲良しの男の子と奥の方へ。
木々が生い茂る、大きな岩の陰へ彼と隠れ、鬼がくるまで息を潜ませた。
そのとき「あ、龍だ!」と隣にいた彼が指をさした先を見上げると、黒い大きな物体が、ウネウネと蛇のように空を飛んでいて、そのまま雲の奥へと消えていった。
大きさは近くを通る飛行機くらい。ただカラスにしては大きくて長くて、そしてウネウネそんな動きをする動物を大人になった今でも知らない。
「今の、龍だったよね!?」
「見た!私も見た!黒い龍だったね!」
彼と私は大興奮。
ただ、その時の記憶は、それでおしまい。
その後はきっと先生や仲間や親へ興奮して話したに違いない。
大人になってあれはどこだったのだろうかと調べてみると、近くにあるのは鎌倉の若宮王子の本覚寺か、祖師堂(定かではない)。
そのうち本覚寺は【龍の寺】らしい。
本当だったらいいな。
そんな、不思議な話。
これからも不思議なお話を書いていきます。