▼みんな覚えてないの?
ベテラン保育士さんと話すことがあって、この話をしたら、意外にも驚かれることが多かった。
そして、意外にも赤ちゃんがかなり鮮明に物事を見ていて、しっかりした意志を持っていて、記憶を持ち続けているケースがあることに、気づいていない・知らないママさんたちも多いようだという話にもびっくりした。
▼赤ちゃんの頭痛の記憶
私が1歳になるかならないかくらいの頃、頭が割れるように痛くて、痛くて、大泣きをしていた時の記憶がある。
ただその時、私は言葉がまだ話せなくて「頭が痛いよう、痛いよう」と思い切り大泣きしているものの、母親がその床に寝そべって泣く私を見下ろして「どうして泣いてるのかしら・・」と困った顔をしているのだ。
「頭が痛いんです!割れそうなんです!どうにかしてください!」
と私は思ってはいるものの、大人と意思疎通が取れなくて絶望した感情。笑
未だに覚えているその光景。
母親曰く、生まれてまもなく私は高熱を出して大泣きをしていたそうで、おそらくその時じゃないか、とのちに分かった。
この話を聞いた保育士さんたちは、「乳児のお子様たちがどうして泣いているのか分からないことが多くて、ベテランになっても悩むことがある。そんな0歳1歳で頭痛がすることもあるのね!」と驚いていて、むしろ私はそれに驚いた。
自分がそうだったから、赤ちゃんも頭痛もするし、きっと同じようにお腹が痛かったりもするだろうと分かっていたからだ。
▼ベビーカーからの景色の記憶
それから、私は母の押すエメラルドグリーンのベビーカーから見た景色や、ニコニコと話しかけてきた70代ぐらいの近所のおばあさんの笑顔、ベビーカーの中で大きくて白いうさぎか何かのぬいぐるみを握っていた記憶もある。
幼稚園に通う兄の送り迎えで、母とよくベビーカーで通ったその道は、すぐ近くにはいつも木や草があって、空があって、美しい景色だった。ちょっとした一コマ一コマではあるけれど、その光景を未だに覚えている。
こうして思うのは、駅のエスカレーターや電車でふと赤ちゃんと目が合った時、私の笑顔をこの子が覚えているかもしれない、ということ。
赤ちゃんは、見ています。
▼産湯の中の記憶(父の話)
私は、なんだかんだ、結構たくさんの人が赤ちゃんの時の記憶は時期は異なれどみんなが持っているものだと思っている。
というのも、実は私の父も記憶があるからだ。しかも、もっと古い。
生まれたてほやほやで、産湯に浸かっていたときの記憶があるよ、と古希になろう年齢で言うのだ。
▼生まれてくる前の記憶(知り合いの話)
それから人生で1人、大人になって、生まれてくる前の天使だった頃の記憶を持っている方にも出会ったことがある。
「みんな先にママやパパを見つけて降りていくのに、自分だけ順番がこなくて、その間に遊び歩いていろんな世界を見たよ」なんて言うその人の言葉を、私は信じている。
▼赤ちゃんは覚えている
赤ちゃんは言葉が話せない。動物も同じく言葉が通じない。
だけど、その小さな身体で、感情も、感覚もしっかり身についている。
1人では生きていけないような弱い生き物でも、インスピレーションで会話をしようと試みている。
そんなことを知って、街中の赤ちゃんやママさんパパさんに笑顔で話しかけてくれる大人ももっと増えたら嬉しいな、と思っていたりする。