▼亡き祖父の気持ち
母の若い時に生き別れた(祖母と離婚した)父のお墓の存在と場所が、つい最近分かった。
ちょうど新幹線でそのエリアに行くからと、母に同行することになった。
タクシーで行ってみると、祖父や曽祖父たちのその墓は、古くて苔が生えていて、花も枯れ長い間放置されていたようだった。
雨も降ってきて時間もなかったから、軽い手合わせのみで一旦ホテルへ帰ろうとタクシー名乗ると
「〇〇(母の名前)〜、〇〇(母の名前)〜、ありがとう。お前、優しいなぁ〜…」
と車内に乗り込んですぐ、頭の中で声がした後、涙がどんどん出てきた。
「祖父は誰もお墓参りもしてくれなくて、ずっと寂しくて寂しくて、娘である母が来てくれたことを泣くほど喜んでいるよ」と母に伝えると、母は涙ぐんで良かった良かったと喜んでいた。
▼お上がりください
ただ私は、亡き祖父の "泣くほどの大感激" を目の当たりにしてしまったので、さすがにこんな一瞬お墓を見るだけで帰るわけにはいかなくて、翌朝1人でもう一度お墓参りをすることにした。
遠くていつ来れるか分からないけど、花と水を持ってお墓掃除とできる限りの浄化をして、祖父に「こんなに寂しい思いをする人生だったなら、しっかり皆に迷惑かけたぶんあの世で何年かかっても反省して、反省して、今生きる母や子孫の守護についてね」と伝えると、そこで祖父らしき霊が現れた。
昔母が見せてくれた写真に写る祖父は、ガタイが良くて、ふっくらした顔で、目力のあるモテ男。まさにイケイケな感じだった。
けれど、お墓に来た祖父は、水色の入院着のまま、痩せ細って真っ白になって、白髪も薄くてまばらで、まさに病人だった。
ああ、この人は病院で寂しく亡くなったのかと知って、「大変でしたね、よく頑張りました」と声をかけた。
宿に戻ってから母に伝えると
「人伝に聞いたら、おばあちゃんと別れた後は、兄妹がいたみたいだけどあんまり世話もされず孤独のまま、肺がんで亡くなったらしい」と言われ、ああだからあんなに痩せ細って寂しがってて、病院着だったんだ。浮かばれていなかったんだな、と分かった。
上がったら知らない先祖でさえたまに夢で会えるけど、上がってない先祖も結構いるんだなぁと今回よく分かった。未来の自分のためにも、先祖のカルマ落としを端から端までできるだけのことをしとこうと強く思える体験だった。
「成仏させた霊たちは私の守護霊団に入れていく」
気分はドラクエ。
そんな不思議なお話。