お正月。実家の母の部屋でくつろいでいたら、そのままうたた寝を。
寝るか寝ないか…くらいのほんの数分した時、暖かなやわらかい女性の手が、私の体の側面を優しく撫でた。
私の両親は優しくて、いまだに大の大人になった私を、たまに頭やら肩やらを撫でてくれる。
だから、ああ、母か、と思い「やーん撫でてくれてるのね〜」っと起き上がって、驚いた。
母は、遠くの椅子に座っていたのだ。
「え、今、背中撫でてくれたのは…?」と言うと「私じゃない…」と沈黙が。笑
ただ、確実に、あの手はとても優しくて温かい女性の手で、私が憶えている手だった。
「ああ、おばあちゃんだね」
と母と笑った。
何故なら、亡き祖母と母は手がそっくりで、いつも暖かくて、がっしりしていて、柔らかい。
そして、その今母が使っている部屋は、元々祖母の部屋だったから。
優しいなぁ。
亡くなる時「いつまでも一緒にいようね」という想いを残して旅立っていった祖母。
見えなくても、愛はいつもそばにある。